ハイドロキノンの美白効果と注意点
ハイドロキノンは、肌の漂白剤と言われるほど強力は美白作用があり、その漂白作用を利用し、医薬部外品の美白剤として皮膚科でも処方されたり、美白化粧品などに利用されています。
ハイドロキノンはイチゴや麦芽、コーヒーなどにも含まれる天然成分です。
ハイドロキノンには還元作用があり、写真の現像やゴムの酸化防止剤としても使用されてきました。
現像していた人の肌の色が白くなったことから美白作用があることがわかりました。
シミの原因であるメラニン生成の際に働くチロシナーゼ酵素の活性を抑える効果が非常に高い成分です。
それと同時に、既に出来てしまった褐色化したメラニンの色を白色化するという還元作用（美白作用）を持つため即効性があります。
一般的な美白成分に比べ、チロシナーゼの活性において約100倍の抑制力があるという研究結果が出ています。
例えば、美白効果はコウジ酸やアルブチンの数１０倍〜１００倍と言われます。
現在、有効美白成分の中で、ハイドロキノンに勝るものはないようです。
たいていのシミは、表皮の一番深い層（基底層）周辺にメラニン色素が沈着しています。
この層にはメラノサイトと呼ばれるメラニンを作る細胞があります。
このメラノサイトの活性を抑制し、メラニンの産生を抑制することがハイドロキノンの働きの一つです。
また、メラノサイトの中でチロシンという物質からメラニンが作られる過程をブロックすることでメラニン自体を減少させる働きがあります。
ビタミンAの一種であるトレチノインと併用することで、皮膚の漂白効果がより高まるとされ、クリーム製剤が市販されています。
ハイドロキノンの注意点
ハイドロキノンを使用したいとき、２つの方法があります。
・皮膚科で処方してもらう。
・ハイドロキノン配合の化粧品を使う。
一般の市販品は皮膚科処方のものより濃度が半分以下になります。
ですから、皮膚科処方のものと大きく異なります。
- 紫外線対策
- 酸化しやすい
- 逆にシミが濃くなってしまう
- 白くなりすぎる
- 刺激を感じる
ハイドロキノン使用時は、紫外線の影響を非常に受けやすい肌状態となります。
日焼け止めを塗るなど、紫外線には十分に気を付ける必要があります。
ハイドロキノンは非常に酸化しやすい成分です。
化粧品などに入っている場合は、冷蔵庫など冷暗所で保存し、なるべく1ヵ月以内で使い切るようにしましょう。
酸化したハイドロキンは肌に刺激を与える可能性があるので、残ったからといって使用するのはやめましょう。
ただ、現在では、「新型ハイドロキノン」「安定型ハイドロキノン」と言って、酸化しにくい安定型のハイドロキンも開発され化粧品にも配合されていますので保存期間、保存方法は説明書などで確認してみてください。
ハイドロキノンを付けたあと紫外線に当たってしまうと、メラニンを過剰に生成させ、シミが濃くなる可能性があります。
必ずハイドロキノンを塗ったあとは、直接日光が当たらないように、紫外線対策をする必要があります。
ですから、心配な方は、夜のお手入れにハイドロキンを使用し、朝は使用しないほうが安心です。
シミが気になる部分に、高濃度なハイドロキノンを長期間使用してしまうことで、その部分だけ必要以上に白くなってしまう可能性があります。
皮膚科で処方される場合、はシミの状態によって濃度から使用期間を判断してもらえるので、このような状態を防ぐためには、必ず出されん他診断書に従うことが重要になります。
皮膚科での処方以外、一般の化粧品を使用する場合、濃度が低くはなりますが、効果が高い分、まれに赤みや皮膚がむけるなど治療効果としての作用・副作用がでることがあります。
また、ハイドロキノンの強い美白作用が肌に合わない方も中にはいます。
ハイドロキノンは酸化しやすいと言われており、シミを薄くしたり予防するどころか、赤みや炎症の原因になってしまうのです。
刺激性を感じる方も中にはいますので、必ず使用前にはパッチテストをされることをおすすめします。
もし、炎症や赤みがでてしまった場合は使用を中止し、皮膚科医に診察してもらいましょう。
ハイドロキノンの副作用
肌の漂白剤ともいわれるほど強力な美白作用があるハイドロキンが故に、
「長期的の使用」や「高濃度ハイドロキノンの使用」による白斑がでる可能性ことがあると言われています。
ハイドロキノンはメラニン色素が作られるメラノサイトそのものの働きを抑制する働きがあります。
それにより、１年以上の長期使用で、メラニン色素を作る働きを失った皮膚は、部分的に色が抜け、白斑となる可能性があるということです。
6%以上の高濃度ハイドロキノンの継続使用、または低濃度でも１年以上、長期的に同じ箇所に使用し続けると白斑となる可能性があると言われていますので、使用の際は十分注意しましょう。
濃度が４％以下のハイドロキノンコスメであれば、一般的使用している分には、白斑は起きにくいとされています。
※ただし、医師によっては１年以上継続しても問題ないと報告している場合もありますし、実際に白斑になったという症例はいまだ確認されていません。
いずれにしても効果が高い分、注意が必要なものなので、皮膚の弱い方、敏感肌の方は、 使用方法を十分守って使用することが重要です。